NAATI CCLで減点を防ぐ通訳のコツ
NAATI CCL Japaneseで減点を防ぐための通訳のコツを解説します。メモの取り方、数字・固有名詞の処理、直訳を避ける方法、よくある間違いと改善法を紹介します。
通訳のコツは「意味を運ぶ」こと
CCL testで一番大切なのは、単語を置き換えることではなく、話し手が伝えたい意味をそのまま運ぶことです。英語の語順や言い回しに引っ張られると、不自然な日本語・英語になり、かえって意味が伝わりにくくなります。
このページでは、減点を防ぐために本番で使える具体的な訳し方と、普段の練習方法を紹介します。試験の流れや採点基準そのものについては、別記事「試験の流れと採点基準」をあわせてご覧ください。
1. 意味のまとまりで聞く・訳す
長いセグメントを一語一語追いかけると、最後まで聞き終えたときに前半を忘れてしまいます。単語ではなく、意味のまとまり(チャンク)で聞く意識を持ちましょう。
たとえば「I went to the doctor yesterday because I had a bad headache.」を、「私/行った/医者/昨日…」と単語で追うのではなく、「昨日、ひどい頭痛があったので医者に行った」というひとつの意味として受け取ります。意味で覚えれば、細部を忘れても自然な訳に再構成できます。
2. メモは「全部書く」のではなく「思い出すため」に取る
メモは発言を書き取るためのものではありません。書くことに集中すると、肝心の聞き取りがおろそかになります。メモは、あとで思い出すための手がかりとして最小限にとどめます。
- 数字・固有名詞だけは確実に:金額・日付・年齢・人名・機関名など、記憶で取り違えやすいものを優先して書きます。
- 記号や略語を使う:「$」「→」「↑↓」「&」など、自分だけがわかる短い記号で素早く書きます。文章で書かないのがコツです。
- 順序を残す:話の流れ(誰が→何を→どうした)が後で追えるよう、縦に並べて書くと再現しやすくなります。
本番ではペンと白紙でのメモが認められています。普段の練習からメモの取り方を固めておきましょう。
3. 数字・固有名詞は落とさない・変えない
数字と固有名詞は、意味への影響が大きいため、取り違えると減点が大きくなりがちな項目です。ここは確実に処理する習慣をつけます。
- 数字は聞いた瞬間にメモ:「three hundred and fifty dollars」のような数字は、聞こえた瞬間に「$350」と書き留めます。記憶に頼らないのが鉄則です。
- 日付・曜日・時間も正確に:「next Tuesday」「by the end of the month」など、期限に関わる表現は特に注意します。
- 固有名詞はそのまま:Centrelink、Medicare、myGov、TAFEなどオーストラリア特有の機関名は、無理に訳さずそのまま使うのが自然です。
4. 直訳を避け、自然な表現にする
英語をそのままの語順で訳すと、不自然な日本語になります。逆に、日本語特有の遠回しな表現をそのまま英語にすると、伝わりにくい英語になります。一度意味を理解してから、訳す側の言語として自然な形に組み立て直すことが大切です。
たとえば「Is there anything I can help you with today?」を「今日、私があなたを手伝える何かはありますか?」と直訳するのではなく、「今日はどういったご用件でしょうか?」と自然な日本語にします。
日本語→英語でも同じです。「お世話になっております」のような定型のあいさつは、英語に直訳せず、場面に合った自然な表現(または省略)で対応します。
5. 直接話法(一人称)で訳す
CCL testでは、登場人物になりきって一人称で訳すことが求められます。「医者は〜と言っています」のような間接話法(三人称)ではなく、話し手本人の言葉として訳す練習をしましょう。
- ○ 直接話法:「お薬は1日2回、食後に飲んでください。」
- × 間接話法:「医者は、薬を1日2回食後に飲むよう言っています。」
聞いた内容を、自分がその話し手であるかのように訳す。これを普段の練習から徹底します。
6. 言い直しは「短く・一度だけ」
間違いに気づいたら訂正できますが、何度も言い直すと会話の流れを損ない、減点につながります。「すみません、言い直します」とひと言添えてから、落ち着いて一度で言い直します。
完璧を狙って長く考え込むより、多少の不完全さがあっても止まらずに訳しきる方が、結果的に良い評価につながりやすいです。
よくある間違いと改善法
- 後半を忘れる:セグメントが長いと終盤の情報が抜けます。→ 数字・固有名詞をメモし、意味のまとまりで記憶する練習を。
- 説明を足してしまう:「つまり〜ということです」と自分の解釈を加える。→ 聞いた内容だけを訳す。足さない・引かないを徹底。
- 直訳で不自然:英語の語順のまま訳す。→ 一度意味を理解し、訳す言語として自然に組み立て直す。
- 沈黙が長い:完璧な訳を探して固まる。→ 5秒以内に話し始め、止まらずに最後まで訳す練習を。
- 間接話法になる:「〜と言っています」で説明してしまう。→ 話し手本人になったつもりで、一人称で訳す。
効果的な練習のしかた
- 声に出す:頭の中で訳すだけでなく、必ず口に出します。本番は「話す」試験です。
- 録音して聞き返す:自分の訳を録音し、省略・追加・不自然さ・間接話法になっていないかを確認します。
- 模範解答と比べる:自分の訳と模範解答を比べ、どこで意味が抜けたか・どう言えば自然かを確認します。
- 苦手な分野を繰り返す:医療・法律・行政など、用語が難しい分野は集中的に練習します。
- 本番に近い流れで練習する:チャイム→音声→通訳という流れに慣れておくと、本番で落ち着けます。
comoca CCL Japanese Practiceでは、英語→日本語・日本語→英語の両方向で、模範解答を確認しながら練習できます。試験モードや連続再生モードを使えば、本番に近いセグメント単位の進行で訳す感覚を養えます。
よくある質問
メモはどれくらい取ればいいですか?
全部書こうとすると聞き取りがおろそかになります。数字・固有名詞・話の順序など、思い出す手がかりになる最小限にとどめ、記号や略語で素早く書くのがコツです。
うまく訳せず詰まってしまいます。どうすればいいですか?
完璧を狙わず、意味が伝わることを優先しましょう。長く沈黙するより、多少不完全でも止まらずに訳しきる方が評価につながりやすいです。普段から声に出して、止まらない練習を重ねてください。
固有名詞は日本語に訳すべきですか?
Centrelink・Medicare・myGov・TAFEなどオーストラリア特有の機関名は、無理に訳さずそのまま使うのが自然です。聞き手に伝わることが最優先です。